Q.03 ウールのセーターにかび……

A.03
ドライクリーニングされたものと思われます。

ドライクリーニングでは溶剤を用いて洗浄をしますから、油溶性(脂溶性)の汚れには非常に効果的です。
衣服に付いている汚れの多くが油溶性のものですから、ドライクリーニングは大変有効な洗浄方法といえます。
しかし、水溶性の汚れ、例えば、食べこぼし、酒類、汗、尿、血液などに対しては洗浄力の点で弱点があります。
従ってクリーニング店では、こういう汚れやシミはドライ洗浄機で洗い始める前にあらかじめシミ抜きで除去しておきます。(前処理)
また、取り残したものが仕上げ中に発見されたら、その時点でシミ抜き作業をします。(後処理)

このように、目で見てシミや汚れが確認できるときはいいのですが、問題は一見なにも異常がないように見える場合です。お酒などがこぼれてそこに付着しているが、今は乾燥していてなにも見えないと言ったケースです。シミ抜きしようにも場所が分かりませんから、完全に除去できないままでお客様の手に戻ってしまいます。それが、時間が経つにつれ空気中の水分の影響でカビの発生に結びつきます。

納品後そのようなことが起こった場合は、クリーニング店では速やかに洗い直しをしてくれるはずです。
クリーニングにお出しになるときに、どのあたりにどんなものがついたということを、ぜひ一言申し添えてください。